社長が物件を見て出店を決めてはいけない。

「社長が物件を見て出店を決めてはいけない。」
はい、少し刺激的なタイトルにしました。
ある先生の刺激的なブログ記事に触発されて(笑) いや、笑いごとじゃありません。

今日は、特定のある人、ある企業をイメージして書きます。
それは多分、今このブログを読んでいる貴方ではないので、気にしないでください。
いけない出店_1

出店候補物件、社長自らが現場視察に足を運んでますか?
いいですね、素晴らしいことです。

東京でもバタバタ店舗が閉店しています。
居抜き物件の場合、いろ~んな人々が物件情報を持って回ります。
店舗に出入りの機械屋さんだったり、設備屋さんだったり、コンサルさんだったり。
ま、実は皆んな繋がってたりしますが。

紹介先のホール企業社長を連れて現地を案内します。
「いいでしょ、シャチョー!^^」
「いいね、やるか!」

仲介者はしてやったり。
いっちょかんでガッポリと手数料やら企画料をいただきです。

何億円もの投資が、驚くほど簡単に決まったりします。
駅前の居抜き店舗、競合も少ない、低投資だし、イケそう。

社長が気に入った物件は、「出店する前提」で社内が動き出します。
実は営業部長をはじめ、ほとんどの幹部メンバーは、
「あの物件はヤバイんじゃないか?」
「あんな場所で稼働つくれるわけないじゃん!」
と感じています。

前のめりな社長に誰もNO!を言えません。
出店決定は経営判断ですから。

グランドオープン。
1か月後、4ぱち・20スロは10%稼働、辛うじて1ぱち・5スロが25%稼働。

という物語。

ほら、今年グランドオープンしたあのお店みたいじゃありませんか。

社長自らが物件を探すのは誠に結構ですが、出店を決めてはダメです。
「俺の目に狂いは無い!」とでもお考えでしょうか。
それとも仲介者に絶対的な信頼を寄せているのでしょうか。

はっきり言います。
居抜き物件で「いいでしょ、ココ!」と言える物件なんて、まずありません。
良けりゃ閉めない。営業やめない。
必ず、必ず、ネガティブな要素があるんです、複数あるんです。

不動産が本業の宅建業者さんなら、
借り手、買い手を決めるのが仕事ですからいいのです。
ネガティブな要素を言う必要もありません。
見極める責任は貴方にあります。

宅建業者でもない業界人が持ってくる物件は要注意、厳重警戒だと認識してください。
クソ物件を「良い物件」と本気で思っていて薦めるのも、
本当はクソ物件だと思っているのに「良い物件」と言って薦めるのも、
どちらも悪質なことに変わりありません。
いいですか、
「成約して仲介手数料以外で儲かるヤツを信じるな」 です。

もし、社長が「イケる」と思ったら、会社ではこんなふうに振ってみてください。
「紹介されたこの物件、あまり良いと思わないから断ろうと思うんだが、
紹介者にはきちんと礼を尽くして断らなくちゃならない。
調査して、出店は厳しい と考える理由をまとめてくれ。」

ネガティブな理由がいっぱい出てくるでしょうから、冷静に判断してみてください。
これなら、「社長は出店センス無いな!」と思われることもありません。

ダメな物件で出店し、低稼働でブッコ抜く。
もう、悲惨な失敗出店はやめてください。
これ以上、お客をイジメてパチンコファンを減らすような出店はやめてください。