閉店が止まらない。立地判断が甘すぎる。

パチンコ店の「商圏分析」と「立地診断」が私の本業です。
その効率化、迅速化のために全国ホールデータを毎日更新しています。

昨年2014年は年間で約500店舗の閉鎖でした。
閉鎖店舗の1店舗平均設置台数は290台。
中小規模店舗が次々に閉鎖に追い込まれている現実です。

今年、2015年1月1日以降、全国で約100店舗が閉店しています。
閉鎖店舗_1

これは「閉店」を確認してデータを削除した件数です。ウラ取りの終わっていない「閉店確認中」を含めると、軽く100店舗を越えていますので、今年は昨年以上の閉鎖件数、600件前後になると予測しています。

閉店が増えれば、居抜き物件も増えます。
建築、内装、設備、営業機器など、新規よりもはるかに低投資で出店可能です。
賃料も安い。
経済条件が「安い」ということは、物件としての「価値が低い」のです。
賃料が相場より3割安いことよりも、大切なことがあるはずです。

居抜き物件での成功事例は極めて稀。
例えば東京都内の駅前型では、昨年1年間で20店舗以上が居抜きでオープンしました。
個別の店名は控えますが、既に閉鎖してしまった店舗、間もなく閉鎖するであろう店舗がたくさんあります。
どんなに低投資でも、半年や1年で閉鎖すれば、大赤字であることは想像に難くありません。

どんな営業をすれば成功するのか? ではないのです。
競合との勝ち負けではなく、事業として低投資で儲かればいい、という考え方があるのもわかります。
そのためには、「低貸し専門で」とか、「スロ専で」とか、「こういう品揃えで」とか、集客の方策を練るのでしょう。
しかし、営業は「可変」です、「不確定要素だらけ」です。今、良いと判断される営業スタイル、機種構成、タイプ構成、レート設定が1年後に良い保証はありません。3年後、5年後の保証など、全くあるはずもないのです。
ダメなら「スロ専」から「パチ専」にでも変えられる、いつでも。
ダメなら店長も、営業部長も変えればいい(笑)

「商圏」は予測可能、そして「立地」は不変。
私が「商圏」と呼ぶのは、需要(人口)と供給(競合)バランスのことです。
人口も競合も変化するものですが、予測することは可能です。
そして、「立地」は不変。絶対に変えられない。
再開発や道路計画で変わることはあり得ますが、努力で変えられるものではありません。
だから、商圏の見極めと立地判断こそ、出店判断の最重要事項なのです。

失敗に学ぶ。
幸いなことに、多くの失敗事例があります。
失敗の大半は、「立地」です。
立地の不利を補う「営業力」、無いとは言いませんが、あれば皆んなやっています。
できないから潰れるんです。
立地判断が甘すぎるんです。

このブログでは、良さそうな物件、立地には「良さそうですね」的なニュアンスを書きますが、基本的にダメな物件にも「ダメそうですね」とは書きません。
勝手に書いているだけで、嫌われたくないからです(笑)

立地診断業務は真剣勝負です。
立地診断の際は、白黒ハッキリ言わせていただきます。

完全ニュートラルなセカンドオピニオン。
これが私の基本価値です。

もうこれ以上、失敗しないで欲しいのです。